年齢と共に膝の痛みを感じることが増える人は少なくないでしょう。
一度痛みを感じたらすでに危険サインだと専門家はいいます。
しかし、早期に対応すれば、その後、痛みを悪化させないようにすることも可能なのです。
実に日本人の4〜5人に1人の割合で膝に問題を抱えており、
それだけ多くの人がいずれ変形性膝関節症を発症する危険があるというのです。
「変形性膝関節症とは、文字通り膝の関節が変形して、疼痛を主体とする症状があることを言います。
膝の骨の表面はわずか3〜4ミリの軟骨で覆われています。
この軟骨が衝撃を吸収する働きをしてくれているのですが、軟骨が磨耗して薄くなってくると、
衝撃吸収ができなくなり、日常生活動作レベルの膝への負荷でも膝関節に炎症を生じ、
痛みを発生させます(図A)」(丸毛医師)
また、女性のほうが男性の3〜4倍も患者が多く、重症化しやすい傾向にありますが、
60代を過ぎると男性にも患者数が急増していきます( 図B)」(丸毛医師)
この症状の厄介なところは、一度進行が始まったら治らないということです。
せいぜい進行をとめるか、もしくは遅らせるための治療、処置をするくらいしかできません。
「治療には、膝用サポーターを使用したり、消炎鎮痛剤を服用したり、
直接膝に軟骨保護剤(ヒアルロン製剤)を注射する方法などがあります。
症状が悪化すると歩行が困難になる場合もでてきます。
そこまで進行すると、人工関節手術などの外科的処置が必要になります」(丸毛医師)
しかし、たとえ変形性の膝を持っていても、一生痛みが出ない人もいます。
大切なことは痛みを出さない、もし出ても早めに対応し最小限に抑えることなのです。
初期症状としては、
1.椅子などに座った後の歩き始めが痛い、
2.階段を降りるときに痛みを感じる、
3.正座をしにくくなった、
の3つです。
どれか一つでも感じたら早めに医療機関に足を運び、
膝のどの部分が変形し始めているのかを調べてもらうのがいいでしょう。
変形性膝関節症の代表的な対策方法は、大腿前面の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることです。
大腿四頭筋を鍛えるには、スクワットや水中ウォーキング、サイクリングなどがあります。
「しかし、初期症状が出ている場合は、痛みを生じない範囲で適切な運動法を選ぶ必要があります。
よく世間でウォーキングがいいと言われていますが、変形性膝関節症の人は、
膝関節に負荷をかけないように、水中ウォーキングや自転車運動を選択することをおすすめします」(丸毛医師)
膝は一生健康な状態で保っておきたい部位。日頃から足腰を鍛えることは大切ですが、
痛みに気付いたら無理をして運動を続けることは避け、早めに整形外科専門医を受診しましょう。
取材・文/田中 響子(オフィス セブン・シーズ)