吹抜構造の開放空間

豪奢なシャンデリアを中心に、広大な空間を活かした開放感あふれるエントランス。入口から正面に受付、その横に応接室があり、螺旋階段の奥には用途ごとに大小の会議室が並ぶ

9階のエレベーターホールを抜け、重々しい観音開きの扉をくぐると、
そこはさながら美術館か博物館を思わせる吹抜けの大空間。

上層階である10階フロアは回廊状に三方を走り、受付カウンターの背後には自然石貼りの壁が
2層分の天井まで伸びている。

大理石を敷き詰めたエントランスの中央には、白い革張りのソファセットが据え付けられ、
その真上には正方形の簾状のフレームで囲われた重厚感あるシャンデリア。

東京・港区北青山の「株式会社ベンチャー・オンライン」の本社は、事業規模の成長に合わせて、
これまで平均2年に1度のサイクルで移転を繰り返してきた。

現在のオフィスに入居して1年になるが、今回は、少なくともあと数年間はここに腰を落ち着けることになるようだ。

日中には大きく取った窓から陽射しを取り込むことができる大会議室

会議室の壁は、透明性とデザイン性を両立する模様ガラス壁

縦長の空間を活かした非常に奥行きの広い社長室。中央には長大なミーティングテーブルが置かれ、左手の壁にはオフィススペースを一望できる窓が開いている

同社オフィス最大の構造上の特徴は、
2層吹抜けの構造を活かした立体的な空間設計にある。

シャンデリアの奥には上層階へと続く
螺旋階段が設えられ、天井のない応接室は
造り付けの本棚が隠しバーへの扉となるなど、
遊び心に満ちている。

同社のオフィスデザインを手がけたのは、

フロア内に同居するパートナー会社、
ハートアンドブレインコンサルティング株式会社の
代表・村上力氏。

同氏は「ニューヨークのパークハイアットホテルの中に
オフィスを造るとしたら……」をイメージコンセプトに、
エグゼクティブクラスの来客を迎えるに
あたって恥ずかしくない品格を意識したという。

機能的に配置されたオフィススペース。デスクとデスクの間は通路幅を広く取り、社員の動線を確保している

ほぼ左右対称の構造を持つビル内で、
南側のエントランスゾーンに対して、
北側はオフィスゾーン。

前者を「非日常空間」とすれば、
後者はいわば「日常空間」に当たるが、
ここでも吹抜けによる開放感は存分に活用されている。

広々とした空間は社員のストレスを防止するとともに、
上層階に位置する社長室の窓から一望することができ、
隅々まで目が届くというメリットもある。

同社では今後、フリーアドレスの導入など、
3000社を超える採用支援実績を踏まえてさまざまな
空間活用(ファシリティマネジメント)を研究していく。

造り付けの本棚をスライドさせると、その向こうは……

一見、ごく当たり前の本棚。しかし、スライドさせてみると、奥に隠し部屋が。
バーカウンターやダーツなどの揃った隠しバーは、来訪客の他、不定期で成績優秀者のために解放される

撮影協力 = 株式会社ベンチャー・オンライン
TEL.03-5785-8000 
インテリアデザイン = ハート アンド ブレイン コンサルティング株式会社 
写真/デザイン = 川端智幸

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